My important place【D.Gray-man】
第26章 鳴かないうさぎⅡ
「はい、明日戻ります。ええ、はい。報告書はその時に。では、失礼します」
本部との連絡を済ませた雪が、荷物の電話機に受話器をかける。
「ふぅ…これでよし」
てきぱきと荷物を片したかと思うと、再びそれを背負ってソファから腰を上げた。
「ちょっと外出てくるね」
「へ? なんでっスか?」
「ラビが思いっきり鉄槌で着地したから、村の入口に穴作っちゃったでしょ」
「…あ。」
やべ。
あの時は人形への恐怖心でいっぱいで、後先考えてなかった。
「その修復と、ついでに夕飯調達。二人はお風呂でも入ってて」
「えっそれなら俺も手伝いますっ」
慌てて傍に寄るチャオジーに、またもや雪は笑顔で首を横に振った。
「いいよ。修復って言っても穴埋めるだけだし、すぐ済むから。それに夕飯調達は一人の方が都合がいいし」
「なんでっスか?」
「身形が貧相な女一人だったら、遅くてもお店を開けてくれるかもしれないでしょ」
二度目のその正論に、チャオジーは再び押し黙る。
ファインダーとして当たり前にエクソシストを気遣いはするけど、それ以上に的確な行動をしてる。
だからこそ雪はファインダーの鏡だって言われるんだろう。
「で、でも…危ないっスよ…こんな夜遅く一人で出歩くなんて」
「大丈夫」
それでも食らい付くチャオジーの肩を、またもぽんっと軽く叩く。
「私こう見えて、神田から組み手で一本取ったことあるから」
続いて笑顔でグッと親指をおっ立てて…えマジで? あのユウから?
「神田先輩からっスか!?」
「ふっふっふ。神田はノーカンにしてるみたいだけど、あれは一瞬でも私の勝ちでした」
一体どんな技使ったのかわかんねぇけど、ユウが認めてないってことは多分アレンみたいな戦法使ったんだろうな。
卑怯技っていうか、そっち系のやつ。