My important place【D.Gray-man】
第49章 つむぎ星に願いを
仕方ない。
ラビの言う通りだ。
振り返れば私の人生は、いつもそうだった。
両親の死も、私が教団から受けた実験も、ノアになったが故の現状も。
"仕方ない"と言い聞かせないと、立っていられないことばかり。
そうやって自分に言い聞かせて生き続けてきたことに、最近少し疑問を抱くようになった。
私の生きている場所は教団だけれど、私の生き方を決めるのは教団じゃない。
自分の為に道はあるんだと、誰かが教えてくれたから。
「ユウとのことも…ノアとのことも、色々考えていたら頭も心も重たくて…誰にも干渉されない場所で考えたくても、それすらもできなくて…息苦しくて、しんどいの」
「…雪…」
「だから、ほんの少しでいいから干渉されない世界を歩きたい」
「…でもそれは、中央庁が許さねぇんじゃねぇさ? あの糸目に見張られてるだろ」
「だから、代わりにラビが私を見張ってくれればなって」
「へ? オレ?」
「ラビは、隣にいて息がし易い人だから。エクソシストとブックマンであるラビが傍にいてくれれば、教団も多少は目を瞑ってくれるかなって」
都合の良い解釈なのはわかってる。
でも今の私が考えた最善は、それしかない。
「お願い、ラビ。ラビなら魔法界への行き方も知ってるでしょ?」
「……」
この沈黙は肯定だ。
やっぱりラビは、魔法界のことに詳しい。
ここまで的確な相手はラビしかいない。
「オレに鴉の代わりをして、且つ道先案内をしろって?…ジジイが知ったらドヤされるさ…」
…やっぱり、そうだよね…。
腕組みをして難しい顔をするラビの首は、縦に振られない。
やっぱり難しい問題だったんだ…。
間に生まれる沈黙が、些か重い。
でもこの檻のような建物の中にいても、道が拓けるような気はしない。
さっきラビに言った言葉の中には、確かな本音もあった。
自分が歩く道を作る為には、多少の無茶だって覚悟しないと。
温室の中では、決まった花しか咲かない。
新しい芽吹きは、外の世界にしかない。