My important place【D.Gray-man】
第45章 10/31Halloween(番外編)
「ほら、」
ティモシーが驚きでぽかんと口を開く中、リナリーが笑顔で誰かの手を引いてくる。
個性的なハロウィンキャラクターの面々の中から現れたのは、医療班のエプロン姿と同じく、真っ白な姿の金髪の女性。
「エミリア…?」
エミリア・ガルマーだった。
ティモシーの琥珀色の目が更に大きく丸くなる。
それもそのはず。
エミリアの姿はいつものふんわりと弧を描くエプロンドレスの姿ではなく、白タイツを履いた足を晒した、真っ白なナースコス姿に変わっていたからだ。
「や、やっぱり似合ってないんじゃないかしら…これ…」
「そんなことないって!凄く似合ってる」
ティモシーの目に穴が空きそうな程に見られ、恥ずかしそうにエミリアが呟く。
それを綺麗な笑顔で否定したのは、手を引くリナリー。
ハロウィン仕様として多少の血糊を付着させていることを除けば、しっかりとした生地で作られたナース姿は陳腐なコスプレなどには見えず。
エミリアのふんわりとポニーテールに括られた金髪と、鮮やかで大きな翠色の瞳に白い肌。
それらを備えた姿は、正に白衣の天使と謳っても過言ではない。
「…っ」
『……マスター、顔真っ赤やっしゃ』
「っ!」
カァッと目に見えて赤面するティモシーに、ぼそりと憑神が突っ込むも、今回ばかりは否定する余裕も彼にはないようだった。
密かに恋心を抱いている女性。
その女性の天使さながらの姿を目の前にすれば、当たり前の反応なのかもしれない。
「ティモシー」
未だ恥ずかしげに目線を逸らしつつ、それでもコホンと咳払いをしてエミリアが前に進み出る。
ベンチの上に立つティモシーと重なる視線の高さは近い。
「もっと早く気付くべきだったわね、私も。そこまで落ち込んでるなんて知らなくて…」
「べっ別に落ち込んでなんか…!」
条件反射のように声を荒げて否定するのは、ティモシーなりのプライドか。
そんな小さなドラキュラ伯爵を前にして、エミリアは口元を綻ばせた。
「そっか。じゃあ遠慮なく誘えるわ。今年は院長先生もマシュー達もいないけど。私と一緒に、ハロウィン参加してくれる?」
笑顔で差し出される手。
へんっと鼻を鳴らすと、ティモシーは迷わずその手を握った。
「あったり前だろっ!」