My important place【D.Gray-man】
第43章 羊の詩(うた).
上に向かされて咥内に潜り込んできたのは、熱いユウの舌と絡まる唾液。
「ん、ふ…っ?」
それから、普段は感じない味のもの。
ぬるりと舌に広がる温かい液体。
なんの味かは、戦闘の多いこの職場では経験あるものだから知っていた。
これ、血の味だ。
「ン…っん…ッ」
私の咥内に痛みはない。
だとしたらこれは、ユウの口から流し込まれた血?
なんで、と目で問おうにも、ユウの舌は遠慮なく咥内を犯してくるから止められない。
重力で流し込まれた温かい血は、私の舌と内頬を伝って喉の奥へと滑り落ちていく。
広がる血の、鉄に似た生温い味。
ユウの舌が追い打ちをかけるように唾液と共に絡んでくるから、力の抜けた状態じゃ大人しく飲み込むことしかできなかった。
こくり、と喉を嚥下して飲み込まれていく、唾液と混ざり合ったユウの血。
血なんて普段は不快なものなのに、不思議と嘔吐感はなかった。
アルコールに酔った所為か、熱に浮かされた所為か、キスの所為か。
わからないけど、されるがまま吐かずに全部飲み込んだ。
「んく…っ」
息苦しさを感じて、堪らず嚥下しながら強く掴んでいたユウの服を引っ張る。
するとやっと唇は離れて、気道を確保させてくれた。
「っは…!」
大きく息を吸い込む。
離れる間際にユウの舌が赤く染まっているのが見えて、確信した。
やっぱりあれはユウの血だったんだ。