• テキストサイズ

My important place【D.Gray-man】

第43章 羊の詩(うた).



「何阿呆なこと言ってんだ、お前」


 だってあの人が、此処にいる訳がない。


「立て続けに独房にぶち込まれて、頭回らなくなったのか」


 だって私の望みは、通らなかったんだから。


「つーか………なんだ、その格好」


 だってこれは、映画や漫画の世界じゃないんだから。


「…おい、」


 ピンチの時に助けに来てくれるヒーロー登場の名シーンのような、そんな都合の良い展開。ある訳がない。


「雪」

「──っ」


 ある訳が、ない。

 なのに。

 名前をたった一言、呼ばれただけで。その人を欲していた私の心が顔を出した。

 何度も何度も願ったもの。
 私の名前を呼んで欲しいって、そう。


「何固まってんだよ。返事しろ」


 少し苛立ったような、そんな声。
 でも強めに催促はしてこない。
 返事にもたつく私を前に待っていてくれていた時と同じ、促して耳を傾けていてくれるもの。

 こんな空気を作れるのは…ルパンだからじゃない。
 私の知っている、あの人本人だからだ。

 じゃあ、この人、は。


「………ユ、ウ」


 私が、待ち望んでいた人…?

/ 2655ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp