My important place【D.Gray-man】
第41章 枷
頭を必死にフル回転させて、絞り出した結論。
あまりに大胆で普通考え付かないようなことだけど、この大泥棒ならし兼ねない。
「盗んだことがバレないように、わざと警察に返したの?…偽物の国宝を」
もし警察が偽物の国宝を調べたら、すぐにバレてしまう賭けのような行為。
でもこの大泥棒は"スリルのない人生は退屈"だと言っていた。
そんな彼なら、危険な綱渡りだって喜んでするだろう。
全てが故意的な行為だとしたら、辻褄が合う。
面会室の中から外に立つルパンを睨み上げれば、ひゅうっとその唇を尖らせて彼は口笛を鳴らした。
「盗みは素人なのに、頭は回る。この"黒の教団"ってのはそこらに転がってるような安い組織じゃあなさそうだ」
着込んだ団服のローズクロスを軽く指先で引っ張って、感心したように笑う。
そんなルパンに対して私は笑えなかった。
つまり答えはYES。
やっぱり本物の国宝はルパンに盗まれたんだ。
「本物の国宝をどうしたのっ」
「どうもこうも、ちゃんと返してやったぜ? 雪の恋人の目の前で」
「……」
「……不二子ちゃん、オレ様すげー疑いの目で睨まれてる気がすんだけど…気の所為?」
「気の所為じゃないわね」
「…自業自得でござる」
誰が泥棒の言うことなんて信じるもんか。
特にこの頭の切れる嘘つきな相手。
「はぁ…仮にも元同盟仲間なのに、全く信用されてないとはねぇ…」
「あれは同盟なんて言いません」
「おぉ、冷てぇこと。…オレが狙ってたのは国宝なんかじゃねぇよ。雪も言ってたろ、あんなモン盗んだらこの国を敵に回すことになるってよ」
「そうだけど…ルパンならし兼ねないでしょ」
欲しいものがあれば必ず盗む。
狙った獲物は逃さない。
それがこのルパン三世という怪盗だ。
「オレ様、あんなお宝にゃ興味ねぇの。あったのはこっち」
「…?」
そう言ってルパンが偽物の国宝の王冠の内側から取り出したのは、極小のロケットのような銀の筒状の物。
何あれ?