My important place【D.Gray-man】
第39章 夢現Ⅲ
何、今度は呼べって。
それいつの話。
ちゃんと教えてよ。
じゃなきゃわからない。
ねぇ、
「ティ──…」
すぅ、と意識が覚醒していく。
自然と目が覚めるような、そんな感覚。
ゆっくりと目を開いて見えたのは──
「………ユウ…?」
身を屈めて私を見下ろす、その人の顔。
わー……目覚め一番に見る美形のドアップって。
色んな意味で心臓に悪い。
「……」
わ、眉間に皺寄せた怖っ
ガン飛ばさないでよこんな至近距離で怖っ
「寝起きの第一声が、野郎の名前たぁどういうことだ。ァあ?」
「…いふぁい」
至近距離で睨まれたまま、むにっと頬を抓られる。
え、何。
野郎の名…って痛い痛い痛い。
「いふぁいいふぁい!」
ぎゅーっと増す力に思わずその手首を掴む。
結構な痛さなんですけど!
何そんなに怒ってんの!
「変な夢でも見てやがったか」
「ぃたた…夢って何。というか夢でこんなに怒られなきゃならないの私!?」
すぐに解放してもらったけど、未だにじんじんと痛む頬を押さえる。
赤くなってないかなこれ。
「大体名前って何。ユウの名前しか呼んでないよ」
「……寝惚けてやがったのか」
よくわかんないけど…多分そうなんじゃないかな。
というかそういうことにしておいて下さい。
理不尽な怒りをぶつけるのはやめて下さい。
「ユウが寝てていいって言ったから、また寝てただけで──」
そう言いかけてはっとした。
思い出したから。
「…っ」
朝、あの影を見た。
ノアのメモリー。
それが覆い被さるように動きを見せたと思ったら、額が割れて──
「っ…!」
「おい?」
慌てて自分の体を見下ろす。
肌はいつも通りの色だった。
怪訝そうに見てくるユウも、特に変わりないいつもの態度。
見た目の異変はないんだろう。
でも、心臓はドクドクと嫌な音を立てた。
だってあの強烈な痛みは、夢なんかじゃなかった。
まさか気絶したりしたの? 私。
その間に治まったってこと?
あんなに激しい痛みと怒りを感じたのに。
いつの間にか消えた?