第4章 ◆休暇任務
俺の掛け声と共に伸びる鉄槌の柄。
一気に木々を抜け
森を見渡せる高さまで到達すれば
伸び続けていた柄はふと止まる。
「 おー、見える見える。
いい眺めさ此処。」
陽射しを避ける為に
額に手を当て傘替わりにすれば
視線の先には何も隔てる物無く
ずっと先まで見渡せる森や畔の風景。
「 さて、サラはどこさー?」
その手前の森林内で
今探している人物を隅々まで探す。
鬱蒼と茂る木々もあれば
開けた場所も数箇所あり、
強めの日差しのお陰で
小さな隙間もよく照らされ
森林に不似合いな人物が居れば
直ぐに分かるだろう。
「・・・お?
当たりか?」
探し始めて3つ目の開けた場所へ目をやると
緑の背景からは目立つ人影を発見する。
「 みーっけ。
伸!」
そのワンピース姿のその影は
先程まで一緒にいた人物で
ふぅ、と安堵の溜息を漏らすと
手にしている柄を強く握り
もう一度掛け声を掛ける。
そして、その目的の広場まで
一気に距離を縮めていると・・・
ーパァンッ!!
いきなり響く
森林にはそぐわない銃声音。
「 ・・・なんさ?
今の・・・っ!!」
その音を辿り視線を向ければ
銃弾は目の前にあり、
「 うわっ!?
って、・・・ぅわぁぁあっ!!!?」
俺に向けられたであろう
その銃弾を間一髪の所で避けると
バランスを崩し、そのまま
鉄槌から零れ落ちるように
森林へ落下した。
「 いっ・・・!
ぃでっ!」
バサバサと音を立てて
無数に生えた枝に当たりながら
なんとか、地面へと着地する。
「 いってぇ・・・、
し、死ぬかと思った・・・!」
着地と言っても、背中から。
幸運にも、落下中に
バチバチと当たっていた
木の枝がクッションになり
落下速度を緩めてくれたようで
着地した際には
背骨が折れる程の衝撃は無かった。
ー・・・にしても、誰さ?
俺を撃ったヤツ・・・。
背中を擦り、頭で犯人を考えながら
周りを見渡していると
『 ・・・ラビ?』
その声は背後から聞こえた。
それは、犯人よりも探していた人物。