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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第56章 透明な君


先ほどの撮影スタジオ。
涼太の姿はない。休憩中のようだ。
……正直言うと、会いたいな。

Sariさんが男性に駆け寄る。

「監督、ご無沙汰です!」

「おーSari、相変わらずだな」

監督と呼ばれた男性。
恰幅が良く、髭を生やしてサングラスをかけている。

こんな薄暗い部屋でサングラスをして、前は見えているんだろうか……と全く余計な事を考えた。

「ネエ監督、この子どうかしら」

そう言って、Sariさんは私の両肩を掴んだ。

「今回の広告のイメージにピッタリじゃない?」

?
なんの話?

「……キミ、新人?」

え?
私のこと?

「ううん監督、この子は一般人。私の友達よ」

「……確かにイメージ通りだな」

……ふたりは、なんの話をしているの?

「キミ、名前は?」

「ほ、神崎です」

「下の名前」

「みわ……ですが……」

しまった、偽名とか使った方が良かったのかな……なんか怪しい雲行き……。

「ちょっと悪いけど、そこに立って」

中央のベッド辺りを指差され、訳のわからないままに移動すると、ライトに照らされる。

「レフ板お願い!」

「レフバン」なるものを男性が持ってきて、何やら角度を変えている。

「みわ、こっちに目線貰えるかな」

よ、呼び捨て!?
呼ばれた方を振り返ると、テレビで見るような立派なカメラが目に入る。

ピーピーピー
パシャーッ

という音とともに、強烈なフラッシュが目を眩ませた。

一体なんだっていうの!?

「みわちゃん、こっちこっち」

Sariさんが手招きする方へ行くと、何やら皆が画面を覗き込んでいる。
どうやら、今撮った写真が既にパソコンに転送されているらしい。

凄い、文明の利器……!
じゃなくて。

アホ面した私を皆に見つめられて、顔から火を噴いて倒れそうだ。

「うん、いいね。みわでいこう」




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