第47章 『臨時ニュースをお伝えします。』
「臨時ニュースをお伝えします。
ジェームズ・A・フィッツパトリック原子力発電所にて宣言されていた緊急事態区分は、全て解除されました。
政府の発表によれば、誤作動を起こしていた電子機器がすべて正常に戻ったことにより――」
「……アル」
耳元のラジオに、見知った声がまざった。
たぶん、まだ夢の中なのだろう。
手のひらに、ほんの少しの振動が伝わる。
ゆっくりと開いていく視界に、繋がれた手が現れる。
体を起こして、アルフレッドは声の主を見た。
「……マシュー」
「うん、僕だよ」
はにかむ笑顔のうしろで、レースのカーテンがさらさら揺れる。
窓からさしこむ朝の光が、マシューの金髪に乱反射してキラキラしていた。
福音を知らせる天使が降りてきたみたいだった。
「ふぎゅっ」
思いのほか勢いよくハグしてしまったらしい。
マシューが変な声をあげる。
「……え、え!? ちょっ、アルフレッドさん!」
病室に入ってきた菊が、入った瞬間あたふたしだした。
うしろに続く医師たちもギョッとしていたが、目覚めたマシューを見て、すぐに指示を飛ばしたり機械のチェックを始める。
「1時間もかからず戻りますから! アルフレッド様!!」と医者に泣きつかれ。
「お医者さん困らせちゃダメだよ」とマシューに叱られ。
アルフレッドは泣く泣くマシューから引きはがされた。
そして、検査祭りに連れていかれるマシュー。