第5章 あいさつ
「いえ。怪我なんてしてませんよ。ぶつかったくらいで怪我してたら、訓練なんてなおさら大変ですしね。」
そんなに怪我してたら体も持たないだろうしね、と心の中でつけくわえる。
「ふっ…確かにそうだね。
それじゃあ、なんで君はここに来たんだい?」
あ… そういえば自己紹介がまだだった。
…とりあえず名乗っておこう。
「えっと…私は第65班、班長のファーユ・ワーナーです。
以後、お見知りおきを。で、なんで来たかというと…」
…あれ?そういえばなんで来たんだろう?
怪我もしてないのに、どうして来てしまったのだろう?
「…?どうしたんだい?」
考え込み始めたファーユに声をかけるエルヴィン。
…優しい人だなぁ、とファーユは心の中で思った
が。
「ははっ… そんなに俺は優しくないよ?」
「そうですかね。やっぱり優しい…ってええ!?」
心の中で思っていただけなのに、なぜわかったのだろう。
そう思っていると、エルヴィンはいきなりこう言い放った。
「君はおもしろいね…。気に入ったよ。
ファーユ、 俺とつきあわない?」