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黒執事 Blood and a doll

第23章 安息



 ソーマの申し出で、有難くアリスは彼に屋敷内を案内して貰うこととなった。

 本来ならば、当主であるシエルが行うのが筋だが生憎彼は忙しい。それを承知の二人は特にすることもなく、屋敷内を散策していた。


「結構広いのね、ファントムハイヴ家は」

「ん? 別に初めてってわけじゃないだろう? 一度ハロウィンの時に来てるじゃないか」

「あの時は特別見て回っていたわけじゃないし。ああでも、確かに走り回りはしたけど……辺りを見る余裕もなかったから」

「それもそうか。あ、そうだ! 庭に行こう! アリス!!」


 ソーマに手を引かれ、アリスは忙しなく屋敷の外、庭へと向かった。あの日見た時と、白い薔薇は何も変わっておらず、同時にアリスの屋敷に咲いていた白い薔薇を彷彿とさせる。


「実はここは俺の第二お気に入りスペースなんだ!」

「第一じゃないの?」

「第一は他にあるからな! ここの一番いいところは、いつも薔薇が綺麗なところだ」

「……確かに、綺麗ね」


 風に吹かれて、白い花びらが宙を舞う。


「あ、そうだ。アリスに見せたい物がある!!」

「何……?」


 再び手を引かれ、庭の奥へと走っていく。ソーマは元気だな……と心の中で思いながら、アリスは彼の見せたい物に興味を抱く。気持ち悪いものだったらどうしよう、なんて思いながら。


「ここだ!!」

「……っ」





 庭の更なる奥には、花畑のように広がる白い薔薇園があった。宙を舞う花びらが美しくて、アリスを思わず息を呑むほど見入っていた。

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