第18章 苦難の中の力
『いった!何すんのよ!デコピンって痛いんだぞこの野郎!こういう硬いところをピンポイントで攻撃すんのは最も人間を傷付けるんだ!』
オデコをさすりながらキッと睨むと総悟が満足そうにニヤリと笑う。
沖田「ギャーギャーうるせぇ女だねィ全く…だが、それがアンタでしょう。今日は朝っから変にしおらしくて薄気味悪かったんでィ」
『…あ』
そう言われてはたと気づく。
確かに私は今日、総悟に会ってからずっと、総悟達に返事をしようって事ばかり考えて固くなっていたかもしれない。
『ごめん…』
沖田「まあ、人間誰でもそんな日もあらァ。さてと、こんなことやってる暇はねぇんだ。さくら、簪選んできてくだせェ」
『え、総悟は?』
沖田「俺ァ別に簪にこだわりは無ェんでね。さくらが好きなのを選んでくれりゃ良いんだ。俺はその間適当に店ん中ブラブラしてまさァ」
『え、でもそれじゃあ私が付けたいものになっちゃうよ』
沖田「それでも構わねェよ。どうせ総子ちゃんが何付けたって似合っちまうんだから」
『ンガァァァァ!爆ぜろ美少女ォォォ!』
そう言うと背中を向けて店内をうろつき始める総悟。
『本当に私が選んでいいんだ…』
総悟の台詞はムカついたけど、でも、その通りだと思う
総悟は多分何を付けても似合っちゃうんだろうな…
『…よし』
そうと決まればモタモタしてられない。
買い終わった時に馬鹿にされないように、ちゃんとしたの選ばなきゃ。
『我に秘められし女子力よ、今目覚めたまえ!出陣じゃァァァ!』
気合いを入れて簪コーナーへ足を向ける。
総悟と約束した1時間は、残り30分にまで迫っていた。