第42章 影の薄さ
リスタートしようと伊月がゴール下に立っていると黒子は自分の手を見て不思議そうな顔をしていたのだが、日向は彼に「行くぞ黒子!OFだ!!」と言ってから「パス回してくれよ!!」と彼に指示をした
その様子を赤司は冷酷な目で見ていた
降旗
「(やっぱり変だ!まだ試合は始まったばかりなのに…さっきからもう黒子はほとんどカットがきれていない…!!それにさっきの観客の反応も…
1度ボールをキャッチする消えるドライブや幻影のシュートならまだしも…パスの時は慣れてる人間以外ほとんど認識できないはずなのに…理由はわからないけどやっぱり、とにかくカントクに伝えなきゃ…!)」
そう考えた降旗が立ち上がって伝えようとすると、黒子のパスは実渕によってスティールされていた
それは今ではなく、すでに起きていた
意外でもなく、劇的でもない。皮肉というほかない。進化の代償
「な…黒子のパスが、破られた…!?」
黒子のパスが破られた事により洛山は追加点をとり、なぜかと日向が悩んで「どうやって…」とふと呟くと実渕が答えた
実渕
「…何も?見えてたからとったの。それだけよ?」
日向
「(見えてた…!?じゃあさっき3Pに追いつかれたのも…てことはまさか…)」
赤司
「お前が中学時代今のスタイルに行きついてから後、僕はパスのバリエーションを増やすことはさせてもシュートやドリブルは身に付けさせなかった…何故だかわかるかい?
それをすればいずれ、お前の特性が失われることがわかっていたからだ。消えるドライブ、幻影のシュート
そんな派手な技を使う選手が目立たないはずがないだろう
さらに決定打は準決勝のブザービーター、なまじ光ることを覚えたばかりに、お前はもはや影にもなれなくなった」
火神
「(黒子…!!)」
彼は努力した。勝つために
そして気づいた時には、彼が「幻の6人目」たりうるその力は、失われていた