第17章 受験勉強
二十分後。
「もう!!本当に絶交したいの!?」
蔵馬「出来るならどうぞ?」
「…………」
…お見通しか。
蔵馬はちゃんとわかってる。私がどれだけ蔵馬のことが好きで、蔵馬と絶交なんか出来ないか…。
わかってて人をおちょくるというところがまたまた腹立つ。
いっそのこと性悪狐とでもつけてやろうかしら。
蔵馬「時音、また可笑しなこと考えてるでしょ」
「別に~」
私の考えてることまでわかっちゃうんだから…。
でも正直、それだけ私のこと見ててくれたんだって思うと嬉しい。
幼馴染みだからだとか、恋人だからだとかどんな理由であり、私にとっては嬉しいこと。
それに蔵馬はいつでも私のこと考えてくれてっ…
蔵馬「あっ、そうだ。時音、私立の前期試験終わったらデートしようか」
「……。秀一、前期試験の後は後期試験に、公立の二つだって控えてるのに、そんな悠長なこと言ってていいの?」
蔵馬「時音なら聖皇くらい余裕で受かるだろ」
前言撤回!!
そうだ、この人はいつもいつも自分の余裕っぷりを見せつけて、私のことなんて考えずおちょくってくる超性格の悪い狐だった!!
「他人事みたいに言って!!」
蔵馬「受験って他人事じゃない?」
「なっ!!」
蔵馬「だってよくよく考えてみなよ。受験は自分の努力であって、別に誰かが落ちたって自分に被害がでるわけじゃないだろう?
自分が受かればそれで良いわけだし。他人事だろ」
「最もらしいこと言って!!」
蔵馬「大丈夫だよ、仮に時音が落ちたとしても次受かるよう願っておくから」
「…………。」
もぅ…いい……。
「帰る!!もう付き合ってられない!!
勉強はこれから自分でしますから、あなたはどうぞごゆっくり受験までの日常を過ごして下さいな」
蔵馬「…時音、口調変わってない?」
「と、いうわけで。わたくしは帰りますから!また学校でお会いしましょう」
蔵馬「えっ、ちょっとっ「それではごきげんよう!!」
無理矢理挨拶して私は秀一の部屋を出て行った。
絶対受かってやる!!絶対特待生になってやる!!
それであの性悪狐を驚かせてやるんだから!!
と、新たな意気込みをかけて私は自分の家に帰って行った。