第2章 約束の過去
幼い頃から父親の影響で野球が好きだった私は
小学生に上がってすぐ家の近くのリトルリーグチームに入った。
「キャッチャーやりたいやつ!」
そう監督に聞かれて私が手を上げると
同時に手を挙げていた背の小さい男の子が居た。
「キミなんで名前?」
「私?ユキ。前原ユキ」
「オレ、御幸一也ってんだ。一緒に頑張ろうな!」
お互い笑顔で握手をして、その日から一緒に練習をした。
練習をしていくうちに仲良くなった私たちは
暇があれば一緒にキャッチボールしたり、他のシニアリーグのチーム見に行ったりしていた。
「お前との練習本当に楽しいや」
「私も!」
「大きくなっても一緒に野球やろうぜ」
そんな事を話したりもしていたが、
小学3年生頃になると次第に一緒に練習する機会は減った。
監督たちから「危ないから」と言われ
参加させて貰えないことが増えた。
その度に御幸が「えー、またかよー」と
監督にもブーブー言っていた。
私は御幸の行動が嬉しかった反面、
見てることしか出来ない自分が悔しかった。
そんな折り、父親の転勤が決まり私はリトルリーグチームを辞めた。
御幸との約束を残して――