第1章 プロローグ
「大きくなっても一緒に野球やろうぜ」
「もちろん!約束ね!」
「おう!絶対野球辞めんなよ!」
――そんな約束をしたのは、いつだったっけ。
ふと、そんなことを思い出した。
懐かしいはずなのに、胸の奥が少しだけざわつく。
あの時の“約束”は、
ちゃんと今も続いているのか――
それとも、もう――
「……いや、私が心配することじゃないか」
小さく呟いて、顔を上げる。
桜の花びらが舞うグラウンドの向こうに、
これから始まる新しい場所があった。
青道高校。
もう一度、あの約束の続きを始めるために――
私は教室へ向かった。