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PRISM LINE【ワールドトリガー】

第4章 感情線の混線



「ごめん、今のところチーム入るとかそう言うの、考えてないんだ」
「え、じゃあソロでやってくの?」
「それもったいなくね?こんだけ才能あったら絶対注目されんのに!」
「俺もアタッカーなんだけどさ、望月さんに色々と教えてほしいんだよ、だから一回騙されたと思って俺らと組んでみない?」


ありがたい、ありがたいよ。
太刀川さんにも最初に腹割れば楽だって言われた。だからこんな風に言ってくれて嬉しくないはずない。ただ、それが本音だったら。


最近嬉しいこと続いてたもんなぁ。
太刀川さんにも知らないところで褒められて、柚宇ちゃんとも少し距離が縮まって、駿くんに戦術教わって。だから気が緩んだ。


この人太刀川さんと仲良いし、近づくチャンスできるかも。隣の彼女の膝がね、さっきからあたしのそれにずっと掠ってるんだよ。

それに目の前の君。頼むよ。懇願しながらどさくさ紛れに肩に手を置いてますけど、コイツ入ったら俺ら無敵じゃね?才能あんだからちょっとは還元しろっての、お前だけずるいだろ。

もう意味が分からない。狡いってなんだよ。
そもそもあの太刀川さんでさえ、許可なく女の子に触れないのに。いや、他の子には知らないけど少なくともあたしには。

やんわり手を退けて、近かった彼女との距離も、足を組む振りして隙間を開けた。


「もし合わないなと思ったら抜けていいから、ね?」
「そうそう、そこまで俺らだって無理強いしねぇし!」


あ、ダメだ。一気に入ってきたから気持ち悪い。
もうずっと聞こうとしていなかったそれは、人のドロドロとした感情そのもので精神的にきつい。


「一回模擬戦見てもらえばいいんじゃない?それであたしらがどれぐらいのレベルか分かるし」
「お、それいいな!望月さん今から時間ある?」
「俺らもそこそこ頑張ってるから見てくれよ、な?」
「はいはーい、お前らちょーっと強引すぎねぇ?」


相手の捲し立てるような言葉は耳に入ってこなかった。さっきのがずっと鼓膜にこびりついてるような感覚に頭がぐらぐらして、いい加減解放してほしくて声を荒げそうになったあたしの言葉は喉の奥に落ちる。その代わりに聞こえた知ってる声。

にぃって唇の端を持ち上げて、花衣さん困ってんだろって笑った出水くんが神さまに見えた。


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