第4章 感情線の混線
意地っ張りで見てるこっちが折れてでも手を差し伸べてやりたくなるんだよ。それも無意識に。
だからアイツが多少なりとも絡んでるとなると、親父心に勝手に火が点くのは仕方のないこと。
「あ、終わった。ほんとに1週間で上がったな」
「当たり前だ。アイツは根性あんだよ」
「正直ここまでできるとは思ってなかったよ。読み逃してた。うちの支部にほしいぐらい」
「バカ言うな、寝言は寝てから言え」
「けっこう本気なんだけど」
「お前は本気でもアイツが嫌がる。誰とでも仲良く、なんて頭持っちゃいねーから」
「へぇ、よく見てるね太刀川さん。その観察眼も親心?それとももっと他に意味があるの?」
ニヤニヤとまぁ、憎らしい笑みを乗せて聞いてくる迅の遠回しな言葉に、俺だって馬鹿じゃない、何が聞きたいのかぐらいは分かってる。けどその答えは否だ。
友人関係から何かが発展したりだとか、何かが崩れて新しく芽生えたりだとか、中々にリスクの高い領域に自ら飛び込もうとは到底思えない。
それに望月に対する俺の気持ちは、そう言うのとはまた違う気がするんだよ。
バカな奴が考えたところで行き詰まるのは目に見えてるから。一番手っ取り早い、自分の感情と近いのを探ってみればそれが親心だった。ただそれだけのことだ。
「お、出てきた。花衣ちゃん!」
ブースから姿を見せた望月は今日もすっぴん。
色気もくそもないその表情に、どうだ、やってやったぞとばかりに笑顔を乗せる。
そんなコイツを見て、約束していた焼肉でも連れてってやるかと思わされる俺は、やっぱり過保護なんだろうか。