夢幻泡影②【呪術廻戦(死滅回游〜)/伏黒 恵オチ】
第3章 胸を突き刺すドロローソ【執行~あの場所】
「星也さん、そろそろ行きましょう」
乙骨に促され、星也が「あぁ」と頷く。
「――【白虎】、【青龍】、【太裳】」
主人の呼びかけに応じ、三体の式神が姿を現した。
「空を行く方が早い。皆、乗ってくれ」
「【呪言】に式神……星也、オマエの術式はどうなっているんだ?」
首を傾げながら、脹相が虎杖と一緒に【白虎】に跨る。詞織も伏黒と【太裳】に乗った。
「術式の汎用性が異常なだけだ」
脹相の言葉に簡素に答え、星也が乙骨と共に【青龍】の背に乗る。
【陰陽術式】には、それ自体に防御法が組み込まれ、【呪い】のリスクが徹底的に排除されており、例えば【呪言(言霊)】も狗巻のような反動がない。
しかし、リスクが少ないからか、己の術式に限界を感じた星也は、呪力制限を設けることで術式の出力の底上げに成功した。
他にも多数の“縛り”を設けており、特に式神術は【陰陽術式】の中でも呪力効率が良いため、主戦力として強い“縛り”を科し、【十二天将】の戦闘力を上げていると聞いたことがある。
【青龍】を追って【太裳】がふわりと飛び上がり、上空を駆けるその背中から振り落とされないよう、詞織は伏黒の腰に腕を回した。