第74章 壊れる世界
「さらら・・・さらら・・・さらら・・・!」
ぎゅっと握られた腕が私の意識を再びはっきりとさせる。
見上げた先にある、必死で私を見つめる彰吾の目が、私に教えた。
彼は全てを知ったんだ。
あの日、あの夜、私に何があったのか。
それから、私がどんな風に汚され続けたのか・・・
あなたを裏切り続けてしまったのかを。
そう・・・なんだ・・・彰吾・・・もう知ってたのね
分かっていて・・・それでも、それでも私を
『愛してくれるの?』
私の目から涙が溢れた。
それは温かい涙。頬を伝って、ポロリと落ちた。
それとともに、私の手からアヴァロンのカードも舞い落ちる。
それはひらひら、ひらひらと奈落に向かって落ちていった。
『楽園』を意味するカードがふわりと地に落ちるのと、彰吾が私を力強く引き上げてくれるのが、同時だった。
そして、カードが地面に落ちた時、今度こそ私が逃げ込んだ偽りの『世界』は、音を立てて崩れ落ちていった。