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淫夢売ります

第74章   壊れる世界


☆☆☆
唐突に意識が闇から浮上した。

最初に感じたのは、洗いたてのシーツのいい匂い。それから、右隣に感じる優しい温もりだった。

ゆっくりと身体を起こす。右手にはベージュのカーテン、そして、白い天井のそこは、間違いなく私のマンションの寝室だった。

今・・・のは?

なにかひどく悪い夢を見ていた気がした。でも、思い出そうとしても霧を掴もうとするみたいに手の間からこぼれていってしまう。それは悪夢なのだが、とても、とても大事なことでもあるような・・・そんな気もする。

「やあ・・・さらら・・・起きたんだね」

隣から聞き覚えのある声がした。目をやると、彰吾がベッドに横になったまま、眠そうな目をこすっていた。

あれ・・・?彰吾??

身体を起こしかけた彰吾は半裸姿だった。そして遅ればせながら、自分もまた上半身裸である事に気づいた。

ああ、それでさっき、なんだかあったかくて気持ちよかったのか・・

そう納得しかけて、あれ?と首を傾げた。

私、昨日・・・彰吾を部屋に呼んだんだっけ?

一瞬、ああ、そうだ黒尽くめの男がいて、その男が怖いから夜付き添ってもらったんだっけ、それで一緒に寝て・・・と思ったのだが、それも違う。

あれは夢だったはず。

今日は・・・今日は一体、何日?何曜日?

目覚まし時計に目をやった。そこにあった時計は『土曜日』を示していた。

土曜日・・・土曜日って、彰吾とデートして、カフェで寝入っちゃって、買い物してゲーセンいって、ホテルに行って・・・あれ・・・でもその日は待ち合わせたはずで・・・

ジジジジジジ・・・ジジ・・・ジジ・・・

あれ?私、昨日何してた?
会社に行って、佐久本さんと話をして、倒れて・・・

ジジジ・・ジジ・・・

有本さんと話をして、モルフェの話をして・・・
ストーカーにスーパーで会っちゃって・・・

ジジジジジ・・・ジジ・・ジ・・・

何、何がどうなってるの?
時間、今、いつ?
私はどこにいて、あれ?彰吾・・・彰吾とはどこで!?

ジジジジジ・・・ジジジ・・・ジジジジジジ・・・

頭が痛い、なに、何これ!?

私は頭を抱える。耳鳴りのような音を遮ろうと耳をふさいでうずくまる。

「ああっ・・・あああああっあああ!!!」
「どうした!?さらら!」
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