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天狐あやかし秘譚

第79章 竜虎相搏(りゅうこそうはく)


「綾音さん、こっちこっち!」
後ろから声がする。ふと振り向くと、いつの間に私の背後に回ったのか、日暮が藪の中から手招きをしている。どうやら彼女はものすごく逃げ足が早いようだ。

「戦闘は、御九里たちに任せましょう。私達は麻衣さんの救出を優先しましょう」

なんとなくもっともらしいことを言っているが、その目や態度が、如実に恐怖の色をたたえているところを見ると、日暮は一刻も早くこの戦場から逃れたいようだった。ただ、麻衣の居場所が分かっているのは間違いないようだ。彼女が言うには、麻衣は、広場の右手奥、山側の森の中にいる、とのことだった。

「彼らは大丈夫です。強いですから。他に敵の気配はないです。こちらから広場を大きく迂回して、麻衣さんを助けましょう!」
そう言いながら、森の中を進んでいく。

みんな・・・負けないで・・・。

一瞬、広場の方を伺い、そう念じると、私も日暮の後に続いていった。
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