第4章 残る想いと結ぶ誓い
「……ありがと。」
弱い声でそう言った仁美を見て、直哉はそのまま同じ布団へ滑り込んだ。
布団が沈み、直哉は肘をついて横向きになり、仁美を上から覗き込む。
「……ひとつ言うとくわ。」
「ん……?」
「悟くんの前では寝んな。何されてるか分かったもんちゃうで。」
仁美はぽかんと目を瞬かせたあと、呆れた息を漏らした。
「悟くんがそんなことするわけないやん……。」
しかし直哉は即答した。
「する。絶対する。お前が寝とったら、あの変態は絶対どっか触っとる。」
「偏見すぎるわ。悟くんはそんなんせぇへんよ。」
「みんな、あの顔に騙されとんねん。せやけど……俺には分かる。あいつ絶対やっとる。」
言い切る直哉の目は本気で、妙に確信めいた光が宿っていた。
(……いや、うちが顔に騙されたんは直哉の方やけど…。)
仁美は心の中でそっと突っ込みつつ、それはさすがに口に出さなかった。
直哉はさらに顔を寄せ、仁美の額に影が落ちるほど近くで言う。