第2章 水神姫
遡ること、第三次忍界大戦…。
また戦になっていたことは知っていたが
大切な人を失った傷が癒えてない綱手は
ひっそりと暮らしていた。
そんなある日、森の隅で人が倒れているのを見つける。
この御時世…
犠牲になるものが絶えないのは致し方ないと、その場を離れようと思ったが木ノ葉の額宛が、綱手の足を止めた。
瀕死の状態だったが、何とかシズネの力を借りつつ、助けることが出来た。
本来、綱手一人で容易に助ける事が
出来た状態ではあったが、綱手は、愛しい人を戦で亡くしてから、血液恐怖症になっていたのだ。
数日後、目を覚ました少女は
記憶を無くしていた…
自分の姓も、何者であるかも全て。
ただ、マイという名前だけは覚えていた為、
たまに姿を現す、自来也が情報を集めつつ身元を探していたが詳しい所まではたどり着けなかった。
しかし、放っておくことも出来ず
綱手と一緒に暮らしはじめたとのことだった。
特に、変わったこともなく
平穏に過ごしていたのだが
里に九尾が襲来したと知る、数日前から
少しずつ記憶を、取り戻しはじめ
完全に取り戻したマイから話しを聞いた綱手は
木ノ葉の里まで送り届けにきたのだ。
まさか、伝説にもなっている
水流園一族だったとは綱手も衝撃を隠せなかったらしい。
そして、愕然とした…。
木ノ葉の変わり果てた姿に
そして
そこにあった…
そこにいたはずのものたちの
骸に…
マイが、あの最強と謳われた水流園一族の生き残りとなったこと、
あまりにも状況が把握しきれていない事、
今、この場にいることの危険性を考え
火影のもとに連れてくることにした…と。
一気に話し終えた綱手は
「これでよかったか…?」と訪ねると
マイ小さく頷いて答えた。
その光景を、見つつも驚きを隠せない三人…。
特に、三代目火影は少女をまじまじと見つめ、
声をかけた…。
「生きて…生きておったか…マイ」