第4章 赤い顔【高杉晋助】
飲み会に参加していたかとおもいきや途中でいなくなっていたようだけど、戻ってきたのかな?
そう思っていると、河上さんが思い出したように私に話しかけてくる。
「晋助なら部屋にいるでござるよ」
「へ?」
「途中からずっと探していたでござろう?バレバレでござる」
フッ、と微笑む河上さんをみて顔がぶわっとあつくなる。
そ、そんなにわかりやすかったのかな……
「私なんかが行ってもいいんでしょうか?」
「気にするなでござる。きっと……いや、今は言わないでおくでござるよ」
そういうと河上さんは私の頭を優しく撫でそのまま飲み会の場へと戻っていく。
何を言おうとしたんだろう……?
私はトイレに行った後、高杉さんの部屋へと足を進める。
普段行かない廊下の先にある彼の部屋。
部屋に行ったところで何を話せばいいんだろう?
そう思いながら歩を進める。
扉の前に立ち、ノックを3回する。
「……あの、です。入ってよろしいでしょうか」
「……入れ」
扉の向こうから高杉さんの低い声が聞こえた。