第2章 貴方はそのままで【土方十四郎】
わたしは。
私は今、大きな風呂敷を胸に抱えてとあるところに向かっています。
それは……
「こんにちは!」
わたしが玄関の前で大きく挨拶すると、中から人がでてきた。
「さん!こんにちは!」
黒い隊服に包まれ出てきた隊士達。そう。
泣く子も黙る真選組の屯所です。
「今日もまた作ってきました!」
「うおー!さんの差し入れだー!!」
と、わたしが差し出した風呂敷をもち、隊士さんたちは中へ風のように走っていった。
「やあやあちゃん、いつもすまないね」
そう言って中から出てきたのは局長の近藤さん。
「いえ、あの時のお礼ですから。」
「そんなこと気にしなくてもいいのに。俺たちァ仕事でやったことだぜ?」
「命の恩人ですから、みなさん」
「そういってくれると俺達も頑張る甲斐が有るねぇ」
そういうと近藤さんは私の頭をわしゃ、っと撫でてくれる。
「っもう……」