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《冨岡夢》恋い、慕う[鬼滅の刃]

第15章 潔白




西「お前、怪我したことを
さんのせいにしようとしたんだって?
おじさんは目撃者の奴らに
嘘の証言をするよう脅したそうじゃないですか。」


「そ…、それは、だな…」


「お前が…
この女に振られて落ち込んでたから…
恨みを晴らしてやろうって思っただけで…」



西「…。
俺がいつそんな事をしてほしいって頼んだんだよ!?お前らがした事は人として最低だろ!!
無実のさんに罪を着せたり
くだらない噂なんか流しやがって…!!」



「そ、そんなに怒らなくたっていいだろ…!
俺はお前の為に…」


西「俺のため…?
お前…本気で言ってんのか…?」





…西口さんがここまで怒ってるのは初めて見た。



私が最初に会った時も怒鳴られたりしたけど…


あの時とは比べ物にならないくらい怒りを露わにしている西口さんを私は黙ったまま見つめることしかできなかった…。





西「確かに俺はさんに振られて
すっげー落ち込んでたし辛かったよ…。

けどな…、俺は自分が苦しむよりも
さんが苦しむ事の方が嫌なんだよ!!
好きな人には笑ってて欲しい…
幸せになって欲しいって思ってんだ!!
恨みなんか抱いてねぇ!!
今すぐさんと、脅した隊士2人に謝れ!!」


「「っ………」」




西口さんに怒鳴られた事で
親子2人は茫然としていて、言葉を詰まらせているようだった。


父親の方は西口さんのお父さんからお金を借りたって言ってたし、きっと息子の西口さんの怒りを買い、今後の心配をしているのか、汗がだらだらと吹き出していた。




でも、息子の方は俯きながら歯をギリギリと食い縛ると、ポツリと言葉を溢した。





「俺は…、謝らないからな…」

西「!!ふざけんなよ…、
俺はお前と友達だから…
もう2度とこんな事してほしくないんだ…
ちゃんと反省して、改心して欲しいんだよ…。」


「反省…?
そんなの…するわけねーだろ。」


西「!?」




西口さんの言葉は
彼には全く響かなかったようで…


隊士の人は畳の上にドカッと腰を下ろすと
乾いた笑いを溢していた。






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