第11章 アイ・コンタクト
「どうしたの?珍しいじゃない、兄さんと雅ちゃんがって…」
「まぁ、少し話があってな」
「そう、」
「……あすかちゃん、」
「何?」
「今って少しだけ…時間もらっても大丈夫?」
そう言って雅はあすかを呼び止めた。
「あ、じゃぁ俺部屋に戻ってるよ」
「分かったわ」
「…おやすみなさい、風見さん」
「あぁ」
軽く挨拶だけすると雅とあすかは歩き出しながら話をした。
「なんだった?」
「…あの…私…」
「?どうかしたの?」
「……付き合う事に、なった…」
「え?!?!うそ!!」
「…シーーッッ!!」
『あ、…』と小さく呟いてあすかは口を閉ざした。ゆっくりとあたりを確認するものの、周りに知り合いはおらず、何とか危機を免れる。
「…付き合うって…加賀さん?」
「ん…」
「やったじゃない!!え、ていうか…どうなってそうなったの?!何々?!」
「それは…その…」
「でも、深夜のデートとかあったしね!」
にこにこと笑いながらあすかは以前のバイクでの散歩の事を話し出した。
「…そう、なんだけど…」
「何時から何時から?」
「…さっき…」
「さっき!?」
「あすかちゃん、驚きすぎ…」
「ごめんね?でも、なんか嬉しくて…!」
そう話しつつもあすかは少し気になった。
「ねぇ?雅ちゃんもAOIに行くの?」
「ううん、私はいかない。」
「え、そうなの?」
「それさっきオーナーにも言われたんだけどね?行かないよ」
「そっかぁ、よかった!」
「でも…」
「え?」
そして切り出したのはAOIにはいかないものの、スゴウはやめるかもしれないという可能性の事。
「…そか…でももしそうなってもしっかりと考えた結果決めるって事でしょ?」
「それはもちろん!」
「なら、私はいいと思う」
そうあすかは答えた。