第18章 二か月の空白と、再会
車に着けば加賀は後部座席の扉を開けた。
「…え?」
「乗って?」
「後ろ?」
そう答えながらも雅は中に入る。続けて加賀も乗り込んだ。
「…え、っと…」
「発進する前に…」
そういえば加賀はぽんと頭をなでる。
「ただいま」
そう伝えた加賀の声に雅はこらえきれなくなり、きゅっと巻き付いていった。
「…じょぉ…くん…ッ…」
「我慢の限界だったって顔してんなって…」
「…ッ…」
トクトクと規則正しい鼓動に安心感を覚えた雅。背中から髪に指を滑らせて、そっと梳く加賀の指は変わらずに温かく、優しかった。
「…ッ…雅」
「…何…?」
「上向いて」
「…ッ」
「それじゃキス、届かねぇよ」
低く、それでいてどこか甘い声色が雅の耳をかすめ、鼓膜を震わす。ゆっくりと体を少し離して、顔を上げれば時期に影が重なっていく。ゆっくりと浅いキス…それがだんだんと深さを増していく。
「ン…じょぉ…ン…」
角度を変えて何度となく重ね合い、舌が入り込んでくる。二か月ぶりの柔らかさに、雅の手にも少しだけ力が入っていく。
ゆっくりと一旦離れたかと思えば加賀はゆっくりとその手を自身の首に回した。
「こっち、回してこい」
そう言い終えれば再度腰を抱き寄せる。今まで以上に近い距離間に緊張する間も無いほどに久しぶりのキスに互いが目の前の相手しか見えていなかった。
「…ッ…ンフ…」
「…クス」
小さく笑えば加賀はゆっくりと離れた。
「お揃いってか」
「ぇ…?」
加賀の問いかけに声がかすれてしまった雅。ふと目をやれば首筋からチェーンを取り出して雅のトップにキスを落としていた。