第11章 愛される呪い
呪「その震え。可愛い声。ほら、もっと泣いてごらん。全部、私の手のひらの中で晒して。」
耳の奥にねっとりとした囁きが這う。
理性が剥がされるような感覚。
羞恥、混乱、快感──
すべてが入り混じり、抗う力を奪っていく。
呪「こんな状態で私と向き合って。君の矜持って、所詮その程度?」
「やめて…………私……。」
呪「素直に“可愛い女の子”になりなよ。そうしたら、もっと丁寧に──。」
呪霊はゆっくりと指先を彼女の顎にあて、顔を傾けた。
呪「壊してあげる。」
唇が、触れそうで触れない距離を漂う。
息が掛かるたびに、体の奥がじんわりと熱を帯びていく。
堕とされる前に、精神が蕩けていく。
呪「ねえ、みみ。“やめて”って言いながら……どうして、そんなに綺麗な声出せるの?」
「っ……っく……!」
羞恥に喉が詰まり、言葉が出せない。
逃げたいのに、逃げる力がない。
むしろ、このまま──
支配されていく感覚に、どこかで安心している自分がいることに気づいて、ぞっとする。
呪「君が言葉を濁すたびに、私はもっと深く君を理解できる。怖いね。気持ち良いね。」
「お願い……もう、やめて……っ……これ以上は、本当に──。」
呪「──“本当に”? 何? “壊れそう”? “感じちゃう”? 言ってごらん。ねえ。」
ぐぐっ、と両脚を何かに押し広げられ空気が敏感な肌を撫でる。
触れられてないのに、まるで指が這っているような錯覚に陥る。
声を堪える喉が、ひくりと震える。
呪「可愛い声、もっと聞かせて。私は……君の1番綺麗な瞬間を引き出したいんだよ。」
「やっ……やだぁ……っ……あ……!」
声が漏れる。
その瞬間、呪霊はくすっと笑った。
呪「──もう、崩れ始めてる。ねえみみ、このまま“気持ち良いこと”教えてあげようか?」