第13章 平和への道
城に戻り、早速宴が開かれた。
留守を預かっていた光秀さん、三成くんに会うのは久しぶりだ。
「本当に心配かけてすみませんでした」
まだ謝れてなかった二人に謝罪する。単騎で追った事や毒矢を受けて寝込んでいた事などあの時からの経緯を全て話した。
「もっと謝っても良いぞ」
「いえ、もう十分謝って下さいました。どうかお顔を上げて下さい」
悪魔と天使とはまさにこの二人の事を指す。
「美桜様が追いかけて言った時の光秀様は見たことが無いくらい‥‥」
「三成。家康がさっき呼んでいたぞ」
光秀さんが三成くんの言葉を遮る。
三成は疑うことなく家康さんいる方へ向かった。
「絶対嘘ですよね、今の」
「なんの話だ」
はぐらかされ、これ以上聞いても無意味だと悟る。
「とんだ小娘だ。単騎で挑むなど、思っていた以上にお前の頭は小さかったようだ」
「なっ!あの時は血迷っていたと言うか、何と言うか、考えるよりも先に身体が動いていたんです」
「まあ、それでもこうして戻って来たんだ。初陣にしては良くやった」
優しい顔で頭を撫でられ居た堪れなくなる。
「(子供扱い‥‥)」
意地悪が9割のこの人がたまに見せる優しい面を見るとどうして良いかわからなくなる。若干顔が赤くなるのを自覚しながら俯いていると助っ人が来た。
「光秀、また美桜何かしたな!」
「お前の兄が来たな。兄というより母だな、あれは」
「誰が母だ!美桜、大丈夫か?何かされたら直ぐに言えよ」
「う、うん。大丈夫‥です」
秀吉さんは顕如との戦で疑っていてすまなかったと私達に謝って来た。敵視されていた時は少し目が鋭かったが、懐に入れたとなると目がとても優しくなった。
「(本当に世話焼きだなあ)」
秀吉さんの世話焼きが今回は救いとなり、光秀さんから逃げる。
「やっぱり、お前何かしたな!」
「さあな、いじめて倒して触れただけだ」
「光秀ーーー!!」
光秀さんが少し盛って言って私は訂正しようとしたが秀吉さんは聞く耳持たず。政宗が来て抑えてくれた事で一悶着は終わった。
琴葉と家康さんが宴を抜け出してお互い両思いだったというのはまた別の話。