第6章 虹色の目の無神論者
泣いている仁美から香る甘い血の匂い。
この匂いは本当に何故こんなにも気持ちを落ち着かせるのだろう。
仁美を抱いていると、何故無惨が仁美に危害を加えないのか分かった気がした。
いや、そう思うこの気持ちが既に無惨の意思なのかもしれない。
「……まずは傷の手当てをしよう。」
いつまでも仁美の血の匂いに体が反応するのも不便だった。
童磨はそう言うと、仁美を抱きながらまた居の中に入って行った。
仁美を布団に寝かせると、ドレスの裾を捲り上げた。
「嫌だ!!」
すぐに仁美が童磨の手を払った。
「…薬塗ってあげるんだからそんな態度しないでよ。」
童磨はまた逃げようとする仁美の腰を掴んだ。
「ほら、動くと危ないよ。」
動かれて患部を傷付ける訳にはいかなかった。
童磨はしっかりと仁美の足を掴み体を引き寄せた。
「…可哀想に…赤く腫れちゃってるね…。」
仁美の秘部を見て童磨は目を細めた。
また飛びついて啜りたい気持ちを我慢した。