第5章 傲岸不遜の鬼
(…私の体が未熟だから最後まで出来ないんだ…。)
仁美は彼が自分の体を気遣い、思い通りに動けない事に気付いた。
もしこの体が、変貌した鬼を受け入れられる体だったら。
きっと旦那様はこんな辛そうな顔をしていない。
そう思いながらも仁美は無惨を離さなかった。
もう辛いと言ったなら、彼の事だからすぐに体を離すのを分かっている。
だけど仁美は、痛みに気を失いそうになっても彼の体を放す事はしなかった。
「旦那様……。旦那様……。」
何度も名前を呼んで縋る様に無惨に口付けをする。
彼の息が荒くなり、耐えている拳には血管が浮き出ていた。
「…我慢しないで下さい旦那様……私…大丈夫です…。」
無惨の顔を両手で包んで、仁美は涙を浮かべてそう言った。
「っ!!」
仁美の頭を掴み腕の中に仁美を抱き締めると、彼の体が強張った。
「ああっー!!」
一瞬更に仁美の中で無惨のモノが膨張したのが分かると、熱い体液がお腹の中に注がれたのが分かった。
一晩を掛けて、やっと無惨は仁美をそれ以上傷付ける事なく欲望を吐き出せた。