第10章 がいこうかい かいし
「契約をする話がマキアから出た時点で、俺は一緒にと思ってたんだよ。
パートナーだし、国は違っても最愛の俺の女だ。
躊躇する理由はない。」
「ギルヴァ様……ですが…
大将軍や公爵家の立場がありますのに……」
「軍や家のことは気にしなくていい……
俺はマキアを信じてる。…それじゃあダメか?」
「私も信じてます……だからこそ負担にさせてしまったならと……」
「俺たちはパートナーだろ?…大丈夫だ。」
ギルヴァは優しい笑みでマキアの頬に手を添える
申し訳なさを感じながら笑みを見せて頷くマキア
ガエテ皇太子は立ち上がり2人に近寄り
「ミへーラフィ侯爵令嬢……いや、マキア令嬢……
デビアン帝国関係者以外に、我が国の反帝国軍の事を話してはならない。…という内容で契約を結ばせてもらう。
マキア令嬢から契約の提案してくれた事…
ギルヴァが一緒にと言ったから……違反時の代償は軽くしてあげるよ。」
「あ…ありがとうございます。ガエテ皇太子殿下」
ガエテ皇太子の契約内容の話に、
マキアは深く一礼しながら感謝を伝え
「ガエテ…」
「特別に…親戚サービスだよ?……父上には内緒ね?兄さん。」
「ったく……お前は優しい出来る従弟だよ。……ガエテ…感謝する」
優しく微笑みながらウィンクするガエテに笑みを浮かべるギルヴァ
「んじゃ…契約しようか。」
ガエテ皇太子は両手を前に出して魔力を込めると
ギルヴァとマキアの足元に青と黒が混じった魔法陣が展開される。
マキアは自分の両手を組み胸元に置いて目を閉じ
ギルヴァは片手を胸元に置き目を閉じる
2人それぞれの周りを青と黒の水柱が上がり、3分も経たないうちに水柱は霧となり消え足元の魔法陣も消えた。
「……っと……こんな感じかな。」
ガエテ皇太子は、ふぅ……と言いながら手をパンパンと払い軽く首を傾げる
「痛みが…走るかと思いました……」
もう終わった事に驚くマキア
感じたのは、水の中にいるかのような漂う感覚
衣装はもちろん濡れていない
普通なら契約魔法は少しの痛みがあるからこそ驚いたのだ。