第9章 たいせつなこと
マキアはハンカチを口元に添えながら、ギルヴァとレジーヌの会話を聞いている。
ギルヴァがレジーヌを見る目つきが変わったが
レジーヌはギルヴァと目を合わせたまま、口元は笑みを浮かべ
「そのような目をされても私には何ともありませんよ。魔族であるガイベルド大将軍様のが長く生きていらしても、私も色々と経験して人生を歩んできましたからね。」
普通の人間ならば威圧とも思える目をしたギルヴァに恐怖を見せるが、
レジーヌには効かないと分かったギルヴァは軽く目を閉じて、すぐにゆっくり開きレジーヌを見たまま
「なぜ……その話をここでされたのかお聞きしても?」
「私はマキアの養母です。パートナーを組んだのなら、そのまま将来をと考えるのが普通ですが……スヴァガルがあるからなのか…それ以外の事なのか分かりませんが、貴方には先を…というのが見えないのですよ。」
レジーヌの話に眉間に皺を寄せるギルヴァ
「お養母様?…何を……」
「マキア、貴女に関わることだからこそ聞いてなさい。」
「は……はい。」
マキアはレジーヌに言われて戸惑いながらも返事する
「嫁達と護衛騎士から2人は交際関係があるよう見えたと聞きました。メイド長のクレーメからも邸宅に着いた時のガイベルド大将軍がマキアを優しくエスコートしたと聞きました。…そして、裏庭でズイキの婚約者候補の話に手合わせの提案をしてきたこと。」
そう話をするレジーヌにマキアはそれぞれの場面を思い出す
「パートナーという関係にしては近く、交際相手や婚約者にしては微妙に遠いと言いましょうか……スヴァガルの最中の2人にしては線があるように見えるのですよ。」
そう話をしたレジーヌ
マキアは今までのを思い返しながら、ギルヴァの方を見る
ギルヴァは大きく深呼吸をして
マキアの方を見たら目が合い困ったかのように笑みを見せる
レジーヌの方を見るギルヴァ
「線があると感じるのは仕方がないと思いますよ……俺はマキアと出会って1週間も経ってないですし……確かに、スヴァガルはさせて貰ってますが……関係についての事を焦るかのようにするのは……ね……」