第7章 てがみ
マキアの右側に座ったギルヴァ
マグカップを受けとり一口飲むと優しいハーブの香りを感じたマキアはギルヴァを見ると
「ツァンさんがくれたお茶だ。飲むといいってビィナにも言われたからな。」
「ありがとうございます。」
お茶にホッとしつつ
あっ!と思ったマキアはマグカップを置いて、下ろしていた髪を左サイドに流して
「血、必要なんですよね?」
「俺は吸血鬼か?」
「え?そうでは無いですが……」
首元を見せながらも、はしたなかったかな……と頬を赤らめて少し戸惑うマキア
そんな姿にククッと笑いながらコーヒーが入ったマグカップを置いたギルヴァはマキアを横抱きにして膝に乗せる
「協力してくれてありがとうな。少し我慢しろ……」
そう言ってマキアの首元に口をつけて
魔族特有の口を開いて分かる少しある牙で噛む
「……っ!」
痛みが少し走るも昨夜より痛みは少なく
ギルヴァが首元から離れると同時に傷は黒い光により綺麗に治癒されていた。
「大丈夫か?」
心配そうにマキアを見つめるギルヴァ
マキアは微笑み
「加減してくれたんですか?ありがとうございます。」
「噛みの強さを少しな……血は昨日より少し多めに貰ったぞ?」
「そうなのですか?全然分からなかったです。」
「それなら良かった……んで、マキアにはコレだな。」
そう言って見せたのは透明の液体が入ったガラスの小瓶
「それは?」
「ん?人間の国には無いんか?魔力水だ。魔力を補う為に万人が飲む物だよ。」
「あー!聞いたことあります。魔力が足りなくなった時に飲むって…ヒューニンザ帝国にも売られてるの見ますよ。」
「飲んだことないんか?」
「んー……魔塔に入る前に数回ありますが、カップに入った状態だったりで瓶ごとは見たことなくて…魔塔に入ってからは飲んでません。」
「人間の国ではマキアは魔力高いから使い切るって程の事が無かったんだろうな。」
「そうなのでしょうか?」
「そうだよ。俺ら魔族でさえ感覚で分かるくらいマキアは魔力高いぞ?」
そう話しながら小瓶の蓋を開けてマキアに持ってるよう言う