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メンヘラヤンデレ彼氏からの溺愛調教

第4章 自覚





「柳瀬」



カタカタ、て。
襖を開けて中へと入れば。
血だらけのスーツを全部床へと落とし。
右腕に自分で包帯を巻いてるところで。
目があった。
だけどすぐに包帯へと視線をうつし、柳瀬が無言で巻いていく。


「…………」



なんか、言ってよ。





「莉央ちゃん」
「え、あ、はい…………」
「はい、って笑何どーした?」
「…………何」



不意に呼ばれたことで一瞬迷子になった理性が戻ると、また、ぶっきらぼうになっちゃう。
かわいくない。


「肋骨固定したいんだけど左だけじゃ難しくて。莉央ちゃん手伝ってくれない?」
「あ…………、やる!うん!」



包帯を渡されて。
バンドの上から動かないように、固定。
にしても。
巻いてる間ずっと柳瀬の視線、ささる。
なんなんこれ。
顔、あっつ。




「…………く、苦しくない?」
「うん、平気」




ありがとう、て。
聞こえた瞬間。
ベッドへと頭がくっついて。
また。
キスをされた。



「ちょ…………っと柳瀬っ」


「うん」



「ちょ、待ってうんじゃなくて…………っ」




柳瀬怪我してるし、力加減がわかんない。
肋骨も折れてるみたいだし、無理に押しのけらんないじゃん。
これ。




「んむ…っ、ん、」




しかも。
血の味する。
口の中も切ってんの?



「待って柳瀬…………っ」



なんとか両手で柳瀬の頬へと触れて。
キスをやめさせれば。
すぐにまた、顔が近付いてきて。
慌てて右掌でそれを塞ぐ。



「舌、切ってんの?それ…………っ、んぷ、んぅん!!」



聞けよ!!
話!
もうキスいらない。
話。
話をしたいのに。
なんっでこんな力強いんだよ!!
バカ力!
思わず左手で力強く握りしめた感触が包帯だったことに気付いて手を引いたけど。



「っ」



先に。
柳瀬の身体が離れていった。
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