第2章 青天の霹靂
「、久しぶりだな」
『長谷川さん、お久しぶりです』
「相変わらずの美人だな」
ふっと微笑み、頭を優しく撫でてくれる長谷川さん。
昔から変わらずの強面だけど、本当はすごく優しい長谷川さん。
あの時もいつも心配してくれていた。
私は人に頼るのが下手だ。
そんな私にいつも長谷川さんがフォローを入れてくれていた。
あの時までなんとか第1部隊でやってこれたのは長谷川さんがいたからだ。
『ふふ、長谷川さんは相変わらずお口がお上手ですね…それで鳴海隊長は…?』
部屋の中には彼はいなかった。
多分…いや、確実に彼はあそこに引きこもっているはずだけど、念の為に長谷川さんに聞いてみた。
私の質問に長谷川さんはため息をつき、相変わらずだと呟いた。
呆れた顔をする長谷川さんに同情した。
「すまない、俺でもアイツは言うことを聞かない。まだお前の言うことの方が聞いていたな。お前の苦労がよく分かる…」
『あの時は長谷川さんがいてくれたから私もなんとかやってこれたんですよ…』
和やかな時間だった。
時計に目をやれば、約束の15分前…
「そろそろだな。四ノ宮は別室で待たせている、無理にとは言わんが…」
『行きます』
そうは言ったものの、やっぱり不安だった。
自然と左手の薬指に私は触れていた…