第10章 見送り(みおくり)
奥義同士の衝突の際
半径5mm以内のみに威力と範囲は留められており
その影響は全て余波のみで、地を抉り足場を無くしながらでも威力を損なわぬ最大の御業とも言えるものだった
吹き飛んだ足場は、衝突した場から直径5m
吹き飛んだ木があった部位は、衝突した場から半径2m
威力の限局化、それに伴う火力の著しい上昇
一点のみに集約させることの大切さ、それの実行力
その全てを試す為の最後の試練だったらしい
それを知ってから…その重要性を知った
それを自然と出せるように習慣化しようと心に決めた
その日、寝る前に線香花火を楽しんでいた
と、いうのも…
以前の花火が死ぬほどやり過ぎて苦情が殺到したらしい……;
曰く
隠れ里なのに居場所バレたらどうする!
音が外にまで行かないようにする為に音の限局化で夜泣きが終わらない!
光も同様!
振動も同じ!!
一体どうしてくれる!!!?
そんなことを目白押しに言われ通し……
その結果、線香花火に収まったらしい…;
ごめんね、と肩を落とし申し訳なさそうにするそれに
私はくすりと笑い
その気持ちだけで十分嬉しい^^//
と返した
それから…姉さんの修行が終わるまで、流れ作業に移ることとなった
あとは自由時間、自主訓練で、と話は纏まった
恵土「やりたいことがあったら何でも言ってくれ!
しのぶ「じゃあ…
今夜、一緒に寝ませんか?」
恵土「………意味わかってるのか?//
しのぶ「変なことはしませんから!!//」
そうして……寒いこともあって、合法的に抱き締め合いながら寝ることを許された
隠の方とも話し合う機会があって…
その時に、元鬼の方もいることを初めて知った
隠「ワテは経理ですけども…
実はそうなる前、鬼でしたんや」
しのぶ「え!!?」
隠「無理やり鬼にされまして…
ずっと人が食べれなくて、他の方も強靭な意志で食べずに居たもんがこの里(縁)には十名近くおります
…まあ……あの人らしいというかなんというか
鬼いうだけで忌避しそうなもんやけどなあ」
そう言って…当時のやりとりを教えてもらった
恵土「鬼だ!
人を殺してない!食べてない鬼だ!)
やい!お前!」
鬼「はい!!(見つかった!なんで!!?」
びくうっ!!
恵土「無惨に伝えろ!!
明日の晩、ここにいるから来いって!」