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化身来華【鬼滅の刃】

第1章 始まり(はじまり)





無惨「待て」
ぴたり

恵土「はあっはあっ!」
無惨「止血しなければ死ぬぞ」

恵土「お前を倒せるなら…本望だ

ぜえっぜえっ」


無惨「勘違いするな」

恵土「?」

無惨「私は、そのままなら死ぬ骸に生気を宿しただけに過ぎん
私が殺したのでは無い

彼女が自らの意志で、自らを殺したのだ

きっかけは父であろうがな

わざわざ油まで撒いて火を付けるとはご苦労なことだ…

余程実態を知られたくないと見える

最も醜いのは父だ
そうは思わんか?

それを殺した私はさしずめ…
お前から見れば恩人ということになる

あのままではお前も母も何も出来ずに死んでいただろうからな」

恵土「近所の人は…どうした?」

無惨「鬼になれずに死んだ
私の血に適応出来ないのが悪い」

恵土「…………」

無惨「お前はどうだ?」

拳を握り締め、歯噛みし、怒りを飛び越えた激情が故か
拳ごと全身が震えたまま、仁王立ちしたまま睨視した


恵土「……………(ぎりっ!!)

世迷言はあの世で吐け!!
お前はなんでも人やもののせいにして、罰を受けることは愚か「自らが犯した罪」からも逃げる弱虫だ!!」

無惨「交渉しないか?
お前が鬼になれば腹の傷も塞がり死なずに済むだろう

私の血を受け入れるか、死か
幼児でもわかる問だ…

どうする?」

恵土「お前がくたばれ!!!!!」

目が血走り、激昂のままに襲い掛かるも
無数の鬼が群がり襲い掛かってきた

咄嗟に落ちていた木刀を拾い、応戦するも息も絶え絶えでうまく力も入らず防戦一方だった


無惨「残念だ……

あの母は当たりだった
娘であるお前も同様だと思ったのだが…

やむを得ん

早々に次へ当たるとしよう」背を向ける
恵土「待て!!!!」

無惨「夜明けまで残り半刻(1時間)…
お前が死ね

死ななければ…またいずれ相見えよう

その時こそ…無理矢理にでも鬼に」

恵土「誰が!!させるかぁ!!!」

顔だけ振り返り、去ってゆく背に言葉を投げ掛けた


木刀を手に暴れ続ける中
死に物狂いで、母方の祖父母と姉と母の骸を集め、守り続ける中……

遠い遠い年月が経ったような感覚に駆られる中、夜は明けた


陽の光を浴びた瞬間に全ての鬼が潰(つい)える中…それは現れた



立派な外装の車だった

そこから華奢な童が飛び出してきて、私へ駆け寄った


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