第11章 新たなる来訪者(らいほうしゃ)
まずは情報収集だけさせてく
そういうのは隠に任せとけ?
危ない橋渡らせる訳にはいかねえだろ?
コソコソ嗅ぎ回られたら、ブスリと刺すのが無惨だろ?
だからこれまで何年も辿り着けなかったんだからさ
だから私が出張ってるし
それに耀哉も何も言わねえんだろ」
その頃、産屋敷家
耀哉「御名答^^」ふふっ
あまね「?」
恵土「柱の中で一番強いのは私なんだ
今の所はな
だから…まず……」ごくり!!
赤く煌々と光る看板を前に、竿袋を強く握り締め唾液を飲み込む
きりっ!!←蒼榮が目を光らせ姿勢を整える
恵土「飯だああああ!!」だっ!!!
ずっさああああああ!!!←勢いよく蒼榮がずっこける
恵土「腹が減っては戦は出来ぬって言うもんな
まずは腹ごしらえして英気を養わねえと、もぐもぐもぐもぐ
お前も食うか?」
蒼榮「食う」ぽつり
恵土「んでだ…
一応特徴を掻い摘んで聞いてみた所…
有名な地主に化けてるみたいだな
ひっでえ暴言祭り野郎になっちゃって…」
蒼榮「何に聞いてるんだ?」
恵土「精霊さん
人の多いとこじゃ中々見かけられねえけれど
付喪神とか、樹齢によっちゃ宿ってるんだ
そいつらに聞いてるんだよ」
蒼榮「そんな情報集め、恵土しか出来ない
恵土「そりゃそうだ、もぐもぐ
まー…兎も角、場所は探り当てられたし
あまり長居は無用だな
(たっ)←椅子から飛び降りる
帰ろう」微笑
蒼榮「?帰るのか?
恵土「何もわからなかった
収穫は無かった
手土産に美味しいのでも買って、そのまんま帰れば…
下手に警戒心は抱かれないし、情報を得たことも悟られないで済む
いいからいくぞ
ひと休みしに来た!ってことで^^」にこっ
蒼榮「………計算高いんだが素なんだかわからん;
恵土「いいからキビキビ飛ぶう!
蒼榮「へーい;」
恵土「真月流、風月流の修行、久々にやるか?
蒼榮「キビキビ飛んでく!キビキビ飛ばせて!!
もうあんな地獄は嫌だあああああ!!
恵土「へいへい;わかったよ(嘆息)
風月流も真月流も…身に付けられているのはお前と私だけかあ…はああっ」
蒼榮「気を落とすな
いい出会いがある」
恵土「ん…ま、気長にやるしか無いよな」
カカン!(どこからか拍子木の音)
しのぶに出会う、2年前の話でした…
無惨に襲われた折、花魁の格好だったことから見つけました
