すき…キス…ミルフィーユ~秘書は代表と絶賛同居中!~
第16章 ほんの少しのかけ間違い
そうしている時に琥太郎がトイレから戻ってくる。
「…おい、お前がやれ」
「え、でも俺だけの企画じゃな『やれ!』…ですよね…」
「で、凜桜はこっち来い」
「え?」
「仕事だ」
そう言って凜桜は住吉に呼ばれて代表の部屋に連れていかれた。
「…あの、私もほんとに片付け…」
「その前に仕事しろ」
「仕事…しますけど…」
「凜桜がずらした青木社長との会食が急遽早まった。」
「…え?」
「だからそれの打ち合わせ。凜桜にも来てもらうし」
「…あ、確かに…すみません…」
そうしてパタパタと資料を取りに部屋を出てすぐに戻ってくる。
「…お待たせしました…」
「ん」
二人で話し合いをし、こうだろう、いや少し違う…等詰めていく。
***
こうしてこの日も当然と言わんばかりに残業と思いきや、住吉はいい所できりを付け、凜桜を連れ出して居った。
「…でも、まだ仕事…」
「いったろ、焼き肉行くって…」
「あ、…本当だったんですか?」
「二言はねぇよ」
そういえば荷物を持って二人で出ていった。店はオフィスからほど近い場所にある所だった。
「…あの、本当にいいんですか?」
「いいって。何食う?」
「んー、じゃぁ…」
メニュー表を広げれば凜桜はどれを食べようか迷いつつも決めていく。
「…それでいいか?」
「はい!」
嬉しそうにぱたんとメニューを閉じれば脇に置いた。