第42章 離れた初夜…
「どうせ貴様の聞きたい事なんざ、何でしたのか、好きなのかって事位だろ」
「…解ってんじゃねぇか…」
そうだよ、三蔵…お前は理世の事どう思ってんだよ。ただでさえ他人に興味のねぇお前が、だ。なんだかんだ結局安全なところにまで連れてきて…加えて沙烙に頼み込むくらいだ…
ただの『連れ』だったわけじゃねぇだろ…
「俺にとって理世は、師を思い出させた…」
「ぁ?」
小さくため息にも似た息を吐いて、紡ぎ出した言葉があまりにも俺の考えていたことのナナメ上行き過ぎてて…しょうもねぇ位間抜けた声が出てきた。
「…まてまて…三蔵。…お前の師って…」
「あぁ。でもそれは初めの印象が、だ」
「…わっかんねぇ…」
「師と…光明三蔵と同じことを言っていたからな」
…そういう事かよ
「あった事もねぇはずなのに…言葉の使い方は少し違いこそあっても同じ意味を持っていた。だから気になったのは間違いねぇよ」
「…それで?」
「一緒に過ごしていって、お前とセフレになっただのなんだのといろいろと聞かされた。『泣かされても知らねぇ』と言ってもまっすぐにお前の事を認めてほしいと…まっすぐに見つめてきた。」
「…ッッ」
そこからいろいろと聞かされた…珍しくあの三蔵が、だ。
「…いつからだろうな、恋愛でもねぇが、気になって仕方がなくなった。」
俯きながら話していた三蔵がふと顔を上げて、煙草を持てば深く息を吸い込んだ。……その横顔を、俺は初めて見て…こんな表情すんのかよって…