第41章 再建
そう話して小さく笑えば嬉しくなる気持ちを皆の好意に甘えて私はこの日、ゆっくりとした時間を過ごした。それでもやっぱり何かしたくて…
夕方くらいから体を起こせば思いの外軽くなっていた。
「…これなら大丈夫…」
そう呟けば、詩氾に声をかける。
「ねぇ詩氾?」
「なんだい?それよりももう大丈夫なのかい?」
「ん、大丈夫」
「どうした?」
「皆におにぎり…作ってあげたいんだけど…いいかな…ご飯炊いて…」
「あぁ。大丈夫だよ。手伝うかい?」
「ううん、私作るよ」
そう返事をすればありがとうとお礼を言って、米を炊いて…そうだ…お塩と海苔…
卵を焼いて…これくらいしか残ってない…
お茶も準備して…後…私に出来る事は…
考えても思いつくことはない…それでも出来る事はしたいから…そう考えながらも少しずつ準備をしていって…
米がたければすぐさま塩を混ぜて握っていく。少しばかり熱くも感じたが、水で冷やしながらもいくつも作っていく。
「…よし…出来た!」
そうして運んでいく。
「みなさん!休憩しませんか?」
そう声をかければ匂いにつられてみんな集まってくる。
「…どうぞ!」
「ありがとう理世ちゃん」
「すまないね…」
「ちょうど腹減ってたんだ…!」
そう言いながらも頬張ってくれる…その顔を見るだけでどことなく嬉しくなってくる。
「…理世」
「沙烙…」
「もう大丈夫みたいだな」
「あの、沙烙…ごめんなさい…」
「何がだ」
「わがままばっか言って…それに私が出来る事をしなくちゃいけないのに…」
「クスクス…大丈夫だ。私ももらう」
「ん!どうぞ!」
そう話して小さく笑えば嬉しくなる気持ちをにじませながら配っていった。