第38章 寂しい心…
翌朝は少し早めに目が覚めた。夢では会えるかと思ったのに…なぜか夢に出てきたのは悟浄じゃなかった…
「いじわる…」
そう呟きながらもゆっくりと支度をする。朝食には詩氾に貰っていた。
「いただきます…」
どれくらいぶりだろう…こうやってたった一人で食べる食事は…こんなに寂しいものだったっけ…
『あーーー!!!それ俺のだろ?!』
『てめぇのだっていうなら名前書いとけ猿』
『書いたら食えねぇだろうが!』
「そうそう、から揚げとか春巻きとか…いつも悟空は…自分のだって…言い張って…」
『うるせぇよ!飯ぐらい静かに食いやがれ!!』
「クス…三蔵がいつも怒ってたっけ…」
こうしてみれば…いつだってみんなと一緒に居たんだって…思い出されて…寂しくなかった…喧嘩もしたっけ…でも…なんだかんだで一緒に居た…
考えてても仕方ない…
もう、体は一人なんだ…
ここで…生きていかないと…一人で…
悟空も八戒も…三蔵や…悟浄だっていないんだから…
「しっかりしなさい…自分…」
そう言い聞かせて食事を摂って、支度をすれば食堂に向かう。
「おはようございます!」
「おんや、理世!?早くないかい?」
「いえ、なんか早くに目が覚めて…支度もあるだろうしって…」
「大丈夫かい?朝ごはんは食べたのかい?」
「はい、昨日詩氾に貰ったの、食べてきた」
「そうかい、それならいいんだけど…」
「何かすること、ありますか?」
「じゃぁ、テーブル拭いたり、頼んでいいかい?」
そう言われて出来る限り元気に返事をして布巾を手に、拭いて回った。