• テキストサイズ

緋色の愛で抱いて【最遊記悟浄夢】

第35章 もう一人の三蔵


一通り話を終えれば沙烙と理世は部屋を出る。

「おー、来た来た」
「波珊、」

くいっと沙烙は波珊を呼べばすぐさま駆けつけていく。

「はい」
「理世なんだが、ここで居を構えることになったから。」
「は、い?」
「おう、さっき決まった」
「本気ですか?沙烙…」
「あぁ。玄奘たっての依頼だ。三蔵同士、無下にも出来んだろ。ましてや理世はただの人間。」
「しかし!!」

声を荒立てた波珊。

「声が大きい。、それになんだ。文句でもあるのか?」
「あの人は…悟浄の女だと…」
「あぁ、聞いた。」
「と言う事は交わりだって…」
「あぁ、あのチャラさからしたらあるだろうな。しかも理世の首元の痣をみりゃ。」
「…ッッ」
「だからなんだ?」
「ですから…もしかしたら…妖怪の子を産むのでは…と…」
「問題ない。というかあの男は繁殖に至っては玄奘以下だろ」
「…はい?」

にっと笑いながらも沙烙は波珊に問いかける。

「半妖って聞いたことあるだろう。」
「はい、それは…」
「しかもあの髪と目の色。禁忌だ」
「……ッッ」
「そういう事だ。」

そう話す二人とは少し離れた場所で、理世と三蔵たちは話していた。

「…それで?」
「だから理世はここでかくまってもらう。」
「…ん、だからこの村が最後だね」
「…そっか…」
「三蔵?」
「ぁあ?」
「この村には何日?」
「明日には沙烙が高山病の薬を持ってきてくれる手はずになっている。」
「…と言う事は…」
「明日の夕暮れではさすがに、だろ。」
「明後日…ですね」
「あぁ。そうなる。」
「…ッッ」

言葉を失うものも居れば淡々と話をするもの、そしてそれをただグッと聞くもの…様々だった。
/ 303ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp