第24章 金色の温もり
♢ Side 理世 ♢
なんでだろう…確かに三蔵のイメージは仏頂面で、冷たい感じで…だけど優しくて…そんなイメージを持っていた。無口だから『冷たい』なんて思ってもいたけれど、本当はそんなに冷たい人ではないって事はしっかり解っていた。
確かに…自身が知っている中では、不愛想であってもイケメンの部類に入るのは間違いない。そんな事は言うまでもなかった。そしてどちらかといえば悟浄よりも一途っぽそうなところはタイプだった。
それでも『そう』はならなかった。それが坊主だから好きになっても仕方ないと初めから諦めていたのか、それとも自身のタイプ以上に悟浄の事を愛おしく思ったからか…
なんにしても、三蔵と、というよりも『坊主』とこんなことになるとは私自身思ってもみなかった。
女人・酒・たばこに娯楽…すべてタブー
それが当たり前だと思っていたから…だけど…
「こんな時にあのバカの名前でも呼べば止めてやろうとも思ったが…」
そういわれても…なぜだか悟浄の名前は呼べなかった。助けを求めたくないのか…三蔵とこんなことになっているのを知られたくないのか…それとも……
・・・三蔵のキスが欲しいと思ってしまっているのか…
頭ではわかってる…ダメだって事位……それくらいの常識は私にもある…これは完全な浮気だって事も…
「痕付けねぇよ」
違う…そうじゃない…でも…何を口走ろうとしてるのか…自分でもわからない…でも…きっと…後悔する結末しかない…
「ンァ…ン」
余裕たっぷりのその三蔵の顔にどうしても抗えなくて…いつもと違うこの金色の髪を抱きしめたくもなる…
「そうじゃない…」
「ほう…?」
・・・・
ごめんね…悟浄…