第17章 代替品の恋慕
お互いに頭を下げあったところで
「あ、あの友ちゃ…友達が
□□さんの大ファンで、
よ、よければサインを頂きたくて…//」
と紙とペンを渡されながら言われて
『全然いいですよ~( ¨̮ )』
と目一杯笑顔で応える。
(顔、引きつってないかな…)
なんて考えながら。
『お友達のお名前は?^^』
「あっ、友千香って言います!(>ㅿ<;;)」
『友千香ちゃんへ♡…っと。
はい!どうぞ!(*^^*)』
「あ、ありがとうございますっ!」
サインを書いた紙を渡すと
すごい勢いでお辞儀をしてくれて
『ふふっ…いえいえ(*^^*)』
とこっちまで笑顔になってしまう。
「あの…また…
JOKER TRAPの公演があるって聞きました!
再公演も□□さんの演技…
楽しみにしてます!」
純粋無垢な瞳を向けられると
少し辛い話題に
『……まだヒロイン役は決まってないんです^^
ご縁があればいいんですけど』
と、伝えると
「えっ?あっ、私っ、すいません(><)」
と先程とは比にならないくらいに
大きな声でペコペコと頭を下げられる。
『いえいえ!
大丈夫ですよっ』
なんてやり取りをしていると
「レディ!」
と声をかけられる。
そして、〇〇と春歌が振り返り、
「あ、…ごめん…
子羊ちゃん…大丈夫かい?」
と春歌の方を心配そうに見つめるレン。
(私の事かと思っちゃった…(•ᴗ•; ))
と、少しショックを受ける〇〇を他所に
「あっ、大丈夫です!
すいません。
大きな声を出して(>ㅿ<;;)」
と距離の近い2人。
さすがに見ていられなくて
『あ…じゃあ、私はこれで…』
と、その場から去る
「あっ、レディ!」
後ろからレンの声が聞こえた気がしたが、
きっと自分の都合のいい幻聴だ
「…□□さんに悪いことを
してしまいました(>ㅿ<;;)」
という春歌に
「何かあったのかい?」
と聞くレン
「あ、いえ…
友ちゃんにサインを書いてもらったあと
JOKER TRAPの再公演楽しみにしてますって…
お伝えしちゃって…(><)」
思ったよりも大したことない内容に
ほっとするレン。
「大丈夫だよ…
彼女ならなんとも思ってないよ」
「だといいんですけど…」