第9章 QUARTET NIGHTとの撮影
すると黒崎さんが
テーブルの上を見て
「おい、お前菓子食いすぎだろ。」
と、カミュさんに向かって言い放つ
「フン…欲しければ自分で
取ってくればよいではないか。」
と、控え室の方向を指さす。
「オメーも自分で取ってきてねぇだろ」
と、一触即発。
僕とってきますよ!
と言いかけたその時…
「□□さんはいられまーす//」
と、スタッフの大きな声が響き渡ります。
この一言で
カミュさんと黒崎さんの喧嘩が終わります。
皆□□さんに
視線が釘付けになったからです。
「……ゴクッ…//」
「……ククッ…ここまでとは//」
「……綺麗…だね…//」
そこにはお嬢様なんて生ぬるい
空色のドレスに身を包んだ
まさに女王様がいました。
いわゆるホルターネックデザインのドレスで
胸元は隠れているものの、
肩や脇、背中がざっくりと空いていて
腰から下はスリットがざっくりあいた
シースラインになっています。
髪型はうなじあたりで
アップスタイルにしています。
耳元に大きくキラキラ光るイヤリングが
上品さを引き立てます。
とにかく、お美しくセクシーです。
お嬢様と言うからにはロリータっぽい
ファッションを想像していたので
そのインパクトに驚いてしまいます。
『すっごく綺麗に仕上げてもらっちゃった^^』
と、笑顔はいつも通りですが
そこには気品が溢れています。
「それではお嬢様…
お手をどうぞ。」
カミュさんがまるで王子様のように
□□さんの手を取りエスコートします。
『あ、ありがと…//』
お2人の周りだけ
不思議と王宮の景色が見えて
その場にいるスタッフ全員が頬を染めます。
セットはまるで舞踏会の会場。
オーケストラ役のエキストラさんや
1/2スケールの2階から降りてくる
高級感溢れる階段などもあります。
そして、その真ん中で
手を取り合い密着するお2人
『たった数ショットのためにこんな…//』
「なんだ?…怖気付いているのか?」
『そ、そういうわけじゃないけど…(--;)
なんだか…豪華すぎない?』
「フッ…シャイニング事務所にかかれば
これくらい容易い…ということなのだろう。」
『ふぇぇ…(=_=)』
コソコソとお話しているようで
お互い耳打ちしている姿だけで様になります。